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2024年11月1日(金)
松竹大歌舞伎
イベント詳細情報
演目
あらすじとみどころ
◆双蝶々曲輪日記 引窓
石清水八幡宮にほど近い八幡の里にある南与兵衛の家。亡き父の後妻となった義母お幸と女房お早が放生会の準備をしているところへ、相撲取りの濡髪長五郎が人目を忍んで訪ねてきます。幼い頃に養子に出されたお幸の実子である長五郎は、主筋への義理で人を殺めてしまい、母に一目会おうとやってきたのです。そこへ代官に任命され、父の名である南方十次兵衛を名のることが許された与兵衛が帰ってきます。お幸とお早は与兵衛の出世を喜びますが、与兵衛に命じられた初仕事は人相書の男を捕縛することで……。 仲秋の名月を翌日に控えた京都を舞台に、互いを思いやる親子の苦悩と情愛が描き出される義太夫狂言の名作。明かり取りの天窓(引窓)を舞台装置として巧みに用いながら、美しい月明かりのもとで展開する心温まるひと幕をご堪能ください。
◆身替座禅
大名の山蔭右京は、大の恐妻家でありながら浮気性。愛人の花子が都へやって来たことを知り、なんとか会いたいと願いますが、奥方玉の井が外出を許しません。そこで右京は、邸内の持仏堂に一晩中籠って座禅をすると嘘をつき、家来の太郎冠者に座禅衾を被せて自身の身替りにし、花子のもとへ向かいます。しかし、このことが玉の井に知られ……。 狂言の大曲「花子」をもとにした舞踊劇。花子と一夜の逢瀬を叶え、ほろ酔い加減で帰ってきた右京が、自身と花子を踊り分けながらその様子を物語る場面はみどころの一つです。怒りに打ち震える玉の井と、それに気づかず浮かれた様子の右京の対比が面白く、現代にも通じる夫婦のやり取りがユーモアたっぷりに描かれます。松羽目物に相応しい格調と品格のなかに、可笑しみが溢れる舞台をお楽しみください。
出演者
中村 錦之助
二代目 萬屋
1959年9月29日生まれ。四世中村時蔵の次男。兄は中村萬壽。64年7月歌舞伎座『宮島のだんまり』の白拍子桜子実は娘梢ほかで中村信二郎を名のり初舞台。07年4月歌舞伎座『鬼一法眼三略巻 菊畑』の奴虎蔵実は源牛若丸、『双蝶々曲輪日記 角力場』の放駒長吉・山崎屋与五郎ほかで二代目中村錦之助を襲名。
中村 隼人
初代 萬屋
1993年11月30日生まれ。中村錦之助の長男。2002年2月歌舞伎座『菅原伝授手習鑑 寺子屋』の松王一子小太郎で初代中村隼人を名のり初舞台。15年1月浅草公会堂『仮名手本忠臣蔵 五・六段目』の千崎弥五郎ほかで名題昇進。
上村 吉弥
六代目 美吉屋
1955年4月27日生まれ。73年8月片岡我當に入門し、同年10月大阪新歌舞伎座『新吾十番勝負』の寛永寺の僧ほかで片岡千次郎を名のり初舞台。87年11月歌舞伎座『廓文章』の仲居おせんほかで名題披露。93年11月南座『正札附根元草摺』の朝比奈妹舞鶴ほかで六代目上村吉弥を襲名。
市川 笑三郎
三代目 澤瀉屋
1970年5月6日生まれ。86年4月三世市川猿之助(二世猿翁)に入門し、同年5月中日劇場『ヤマトタケル』の吉備の国の使者・怪物で三代目市川笑三郎を名のり初舞台。94年3月、猿之助の部屋子となる。98年7月歌舞伎座『義経千本桜 川連法眼館』の静御前で名題昇進。
市川 青虎
二代目 澤瀉屋
1983年生まれ。93年8月国立劇場『勧進帳』の太刀持で三浦弘太郎の名で初舞台。95年7月三世市川猿之助(二世猿翁)の部屋子となり、歌舞伎座『網模様燈篭菊桐 小猿七之助』の日吉丸で市川弘太郎を名のる。2013年1月大阪松竹座『毛抜』の八剣数馬ほかで名題昇進。2022年3月歌舞伎座『新・三国志』の諸葛孔明で二代目市川青虎を襲名。
配役
写真提供・松竹